コツコツ長者への道

2013年にインデックスファンドでの積立投資を始めた素人&ビギナー&個人投資家です

やりがいとは何か?

私が医療従事者として働いて、10年が過ぎようとしています。
その途中、辞めようと思ったり、自分の仕事の意味について思い悩んだりすることが何度もありました。

 

そしてそうなる度に、自分を納得させようと、自己啓発本の類やビジネス書などに何度も手を出してきました。しかし、そのほとんどすべての本は、ただ虚しい思いにさせるだけでした。

 

そんな中、小説ではなくエッセイの方に魅了された森博嗣氏の『「やりがいのある仕事」という幻想』に出会いました。そしてこの本で、自分の中での仕事についての姿勢や考え方というものがある程度出来上がり、いろんな意味で吹っ切れた状態で10年目へと突入していくことができました。

 

この本の終盤第4章は、「仕事の悩みや不安に答える」として、森氏に寄せられた仕事に関する相談や質問に氏が答えるという形式です。
このQ&Aだけでも私には十分価値がありました。

 

例えば、「できるならば、働かずにやりたいことだけをして生きていきたい」という相談に対して、

やりたいことをするには、まず布団から出て起きなければならない。服をきなければならないし、食事もしなければならない。やりたいことをするための準備もある。体調も整えなければならない。

楽しいからといって無理をすると、躰を壊してしまう。いくら好きでも、ずっとそれをすることはできない。これらも全部ひっくるめて、「やりたいことをしている」と言うのである。

「あっ、そういう考え方があった!」と、言われてみれば当たり前なのですが強く納得しました。自分が今まで「しんどい!やりたくない!」と思っていたことも、「やりたいことをする」という中に含まれるのだと考えると、精神的に楽になりました。

 

 

また、「職場が成果主義で問われて殺伐している」というような相談もあり、

仕事というのは、成果を問うものだ。それが殺伐としていると感じるのも素直な感覚で、そのとおり、仕事というものは殺伐としている。少なくとも和気あいあいの場ではない。

少しくらい明るい部分があっても良いかもしれないが、それはちょとした飾りののような
ものでしかない。
(中略)
仕事をする大人であれば、自分たちのやっていることの本質がどこにあるのか、正しく理解した方が良いだろう。

そう、それで良いんです。つまらない人間関係のしがらみなど受け流してしまい、ただ成果を出すために(自分の顧客に価値を提供するために)、働けば良いのです。

 

 この他まだまだ、どストレートな質問や相談(「仕事に希望がありません」、「人に頭を下げるのに疲れた」など)が出てきますが、そうかそういう考え方をすれば変に思い悩んだりせず、淡々と仕事に向き合えるなと思える回答を森氏は繰り出します。

 

 

 さてこの本ではテーマのひとつである「やりがい」についての言及があったからこそ、私の人生にとって重要な一冊となりました。

「やりがい」というのは、他者から「はい、これがあなたのやりがいですよ。楽しいですよ、やってごらんなさい」と与えられるものではない。
 (中略)
ゲームもアニメも、他者から与えられたものだ。ほとんどの「楽しみ」がそうなのだから、「やりがい」もきっとそういうふうに誰かからもらえるものだと信じている。どこかに既に用意されていて、探せば見つかるものだと考えている。
 (中略)
繰り返していいうが、人生のやりがい、人生の楽しみというものは、
人から与えられるものではない。どこかに既にあるものでもない。
自分で作るもの、育てるものだ。

 

人気のある会社に就職し、人も羨む美形と結婚し、絵に描いたような家庭を築き、マイホームを購入して、という生活を送っている人でも、人生のやりがいを見つけられない人が沢山いる。
 (中略)
たまたま能力的に勝っていたため、あっさりと何もかも手に入ってしまったけれど、しかし、自分で望んだ道ではない。その「人も羨む人生」に縛られて、自分がやりたいことを遠ざけてしまった結果といえる。


能力があることと、人生のやりがい、あるいは人生の楽しみというものに、関係はない。 周りが作り出したものではなく、自分自身でやりがいや楽しみを作り出せるか?

そういったことを考えさえ、地に足の着いた生き方を目指すきっかけになった本でした。