コツコツ長者への道

2013年にインデックスファンドでの積立投資を始めた素人&ビギナー&個人投資家です

10年後の仕事のカタチ

私は医療職をしているので、ビジネスのグローバルさだとか、競争とかいうものからはかなり遠い位置にいます。しかし自分の子どもが働く将来を少し想像してみると、日本以外の国で働くということがかなり可能性としてかなり高いだろうなとは思います。


今回、アメリカのアップルで働き現在もアメリカで教育事業に携わっている松井博さんと、アクセンチュアを経て現在ベトナム事業を起こしている大石哲之さんの『10年後の仕事のカタチ』を読んで、世界で仕事がどのように変わっていっているのかが少しわかったように思います。

 


Q1. まずこれから仕事がどう変わっていくのか?

大石 アウトソーシングが端的ですが、今は世界中で仕事が移転しているんですね。「移転」というのがミソです。もともとあった仕事がその国からごっそりなくなって、別の場所に引っ越しちゃう。海外進出と、移転は違うんです。

なんとなく日々のニュースを聞きかじっていると、日本の工場などが賃金の安い海外に、移転しているというのはよく耳にします。そのイメージとしては、本社は日本のまま。そして製品を作る工場が海外に移るという感じでした。しかし、実際には違うようです。

大石 移転している仕事というのが、みなさんが考えているより広いんですよね。工場とかコールセンターじゃなくて、高度な知的産業も部分もまた移転しやすいんです。
(中略)
大石 「R&D」とか「金融」とか「マーケティング」とか、究極のことをいうと「本社」とかね、そういう高給の仕事の部分がどんどん移転しているんですよ。これを薄々感じている人はいて、危機感を持っていると思います。

英語圏の大学を卒業し、グローバル企業に勤めた経験を持ち、英語と中国語が喋れて、マーケティングの専門性があるようなスーパー人材は、東京で集めようしてもそうそう出てこないけど、シンガポールでならアメリカや中国から応募して集まってくる人材がいるというのです。少なくとも世界レベルのビジネスではそういう流れのようです。


Q2. そういった世界で生き残っていくためにはどうすればいいのか?
本書によると3つのことが大変重要となるようです。
1つ目は、何よりもまずスキルを上げること。例えばシリコンバレーなどの現状などを見てこう述べています。

松井 ひとつのテクノロジーがあったら、みんなそれを極めていくわけです。そうするとそのテクノロジーが必要な会社にどんどん移って行けるし、その道のエキスパーティーズが高まる。だから日本的なジェネラリストってほとんどいません。
(中略)
大石 彼らのキャリアアップのイメージは、決してマーケティングや戦略ができるようになることではなくて、自分の専門性の中で、できることの仕事のレベルを上げていく感じ。自分の国を出て行って外で大きなことをしたり、国や会社を移ったりして、プレイング・フィールドのレベルをあげていくんです。


次に2つ目は、英語の習得。世界中で働く以上これはもう話せて当たり前という感じなんでしょうね。私など全然ダメですが、日本人にとってちょっと心強いことが書かれていました。

松井 日本人って英語のアクセント、聴きやすくてすごくいいんですよ。LとRだけ気をつければなんとか通じるから、あんまり気にすることないんです。シリコンバレーなんて、ほんとにわからない英語だらけ。

松井さんの上司がインド人だったことがあったそうで、当時は何を言っているかさっぱり分からなかったらしいです。そこで、同僚のアメリカ人に何て言ってたのかたずねると、彼も「いや、よくわからない」と答えたそうです。(^_^;)

ただしその一方で、
松井 ただシリコンバレー在住の外人たちは発音悪いんだけど語彙が豊富だし、表現も文法も正確。だから文章書くと理路整然としているのに、喋るとビックリするくらい通じないっていう人がいっぱいなんです。
日本人は真逆で、意外とちゃんとした発音してるのに、文章になると弱い人すごく多い。

日本人は文法や文章かくのは上手だけど、喋りがまったくダメだと思っていたのですが。イメージしていたのとまったく逆でした。


最後の3つ目は、「仕組み」を作られる人間になること。

松井 僕自身、「技能」っていう意味では別にたいしたことなくて、エンジニアとして僕より優秀な人はそれこそ履いて捨てるほどいます。じゃあ管理職として何を期待されていたかっていうと「仕組み」をつくることなんですよ。「仕組み」をつくるって言っても色々あるんですけど、要するにビジネスを回す仕組みですね。
(中略)
松井 そうやって「仕組みを考える」ことによって効率をドンドン上げられるわけです。
それから自分しかできなかったことがマニュアル化し、人に任せられるようにもできるわけです。分業化して、ひとつひとつの作業を単純化して、作業をこなす人を最低時給で雇えるとか。
(中略)
松井 「根性」とか「長時間働いた」とかっていうのは全然評価されません。評価されるのは「結果」であって、今まで10のリソース使ってやっていたこと作業が3でできちゃったとか、ミスが劇的に減る仕組みとかが評価されるわけです。

これも私にはなかなかない才能で残念なのですが、ひとつ勇気づけられることがありました。

でも上手いビジネスの仕組みって、怠け者じゃないと思いつかないと思うんですよ。自分が怠けたい一心で効率のいいやり方を考える。そういうの大事だと思うんです。「言語」と「技能」ってのは確かに大切なんですけど、「仕組みづくり」ってのも、もうちょっとおさえてほしいな

 

さて、こういった誰もが簡単にはできない世界レベルの仕事がある一方で、誰もが比較的容易にできる仕事というものがあります。しかし「じゃあ、そっちでいいや」とは簡単には言えそうにない実情があるそうです。それは、そういった仕事も非常にグローバルになっているからです。例えばこんなすごい例があります。

大石 ドバイのビルって24時間建設し続けているんです。3交替制で労働者が働いているからできるのが早い。夜中も建ててるんっですよ。
(中略)
大石 ドバイは、インドやパキスタンあたりから労働者がやってきて、寝泊まりして3交替制でずっとビルを建てている。そうやって働いている間だけ発給されるビザがあって、半年とか、1年だけ有効な出稼ぎビザなんですね。そして建設が終わると、もう国に返しちゃう。完全に労働力の輸入ですね。で、安く、ですね。

ここでは必要な時だけ、いかに長時間、低賃金で、働けるかという逆の競争が待っているのです。

 

ではドメスティックな仕事、国内ではどういった仕事が残っているのか?が気になります。それは「ラスト・ワンマイル・ジョブ」と呼ばれる仕事です。これは最終的に消費者と実際に接点を持つ仕事。

大石 例えばこのスライドでいうと、配管工ですね。配管工なんてこれはもう物理的に管を繋がなくちゃ話にならない。あるいは医療。実際に手術したり介護をしたりって、絶対に人間が相手をしないとできませんから、
(中略)
それから、建設ですね。建設も実査に作らなきゃいけないので、人が作業する必要がありますよね。

ただしこの「ラスト・ワンマイル・ジョブ」も、国内に残った人間たちによる過当競争になることは必至です。(*_*)


ここまで見てきても結構過酷な状況がやってきていることがわかります。そんな世の中で生きていくために、松井さん、大石さんが最後に彼らの経験から得たアドバイスをいろいろしてくれています。
その中で心に残ったのは次の3つ。

その1、「今ある情報で判断する訓練をする」

松井 常に100%正しい完璧な情報が欲しいけど、そんなの絶対にないじゃないですか。だから常に不正確で、その時点でベストと思われる情報を元に、ドンドン判断をしていく訓練です。
(中略)
松井 もちろん、なるべくロジカルに考えていかなくちゃならない。でもロジカルに考えたくても、最後は「勘」だったりしますよ。なにしろ完全に正確な情報がないから。前例がない事態も多い。

とにかく自分で判断する習慣を身につける、失敗を怖がらずに。


それからその2、「副業で小さな商売を始める」

大石 商売をやるのはすごくいいと思います。
(中略)
大石 自分でミニ商売をやってみる。自分でサービス作って、何かやってみて、文句言われたりとかして。
(中略)
大石 マイクロなことで、体験を積んでみるのがオススメです。
松井 そうそう。ほんの10万円20万円稼ぐのだって結構四苦八苦ですから。やってみると
「ああ~。こういうところがポイントなのか~!」
って分かってきて、段々と収入を増やせるようになるから、とにかくやってみないと分からないですね。
(中略)
大石 自分のプロダクトを考えて得る、っていうのをやってみてください。

これはいわゆる「うけ負い的な仕事」ではありません。要するに今の仕事にプラスアルファバイト的な誰かから与えられる仕事(週末アルバイト)ではないということがポイントです。


その3、「日本の中のモノサシで測って「怖い怖い」と思わない」

松井 僕はね、明日がわからない生活が好きなんです。日本の会社は3年で辞めたんですけど、なぜ辞めちゃったかっていうと、「これずっと続くのか?」って嫌になっちゃったんです。もちろん決まりきった生活が毎日ずーっと何十年も続くことに魅力を感じる方も沢山いると思うんですけど、

個人差があるかもしれませんが、私も松井さんと同じ感じ方をしていました。現在の職場は、すでに3つ目の職場です。その都度、新鮮さや学びがあるのは事実ですが、徐々に「これがずっと続くのは耐えられない」と思うようになっていました。世間的には完全に少数派にはなるでしょうが、そうしてたどり着いた現在の仕事には満足していますし、これからどういった生き方がいたいのか?ということについてもそれなりに考えてカタチが見えてきて、それに向かって今は毎日生きています。
そういうこと、考えるだけでも楽しいです。

松井 「なんとかなっていく」っていう部分もあるわけで、明日は明日の風が吹くっていうのに慣れちゃった方が楽しめると思うんです